カムイエクウチカウシ山 1979m
2015年 11月 25日
幌尻岳に次いで日高山脈第二の高峰であり、中部日高の盟主として男性的な山容を誇っている。
深田クラブ日本二百名山に入っていることが個人的には好ましい。
山名は「クマが転げ落ちた所」というアイヌ語によるらしいが諸説あるそうだ。
しかし確実に言えることは地形図からして明白で、ヒグマですら転げ落ちそうな急峻な斜面を持っている。
この長ったらしい山の名は読むのも難しく、それに昔は登るにしろ難峰とされていた。
しかし今では山頂への一般的ルートは北の札内川本流から八ノ沢を辿る2泊3日行程である。
七ノ沢を過ぎると何度か繰り返す渡渉が面白そうで、最後は八ノ沢カールを登って稜線に出て山頂に至る。
南の日高側からも奥まで道が入ったため、コイボクシュシピチャリ川に沿いコイボクカールを経由する人も増えている。
初登頂は1928(昭和3)年の慶応大学であり、冬期は1931(昭和6)年の北大である。
ともにルートは八ノ沢を使って成し遂げている。
山頂から北へはエサオマントッタベツ岳を経て札内岳まで踏跡があるらしい。
また南はコイカクシュサツナイ岳を経てペテガリ岳まで道があるそうだ。
ハイマツ漕ぎで体力は消耗するだろうが、どこで水を得られるかを考えながら長い縦走も可能だろうと想像する。
カムイエクウチカウシ山といえば1970年7月に起きた羆襲撃事件が知られていて、入山にはキャンプでの食料管理や残飯処理には注意が必要である。
山頂の南東には秀麗なピラミッド峰が魅力的で、時間に余裕があればついでに登っておきたいと欲を出している。
まだ行けるとも決まった山ではないのに、山頂から広がる日高の山並みに期待してしまう。
道や標識が完備された百名山を腐すつもりはないが、二百名山にこそ登ってみたい山があると勝手に思っている。
by nakatuminesan | 2015-11-25 18:06 | 日本の山 | Comments(0)