ワカン
2013年 12月 26日
ワカンの使用は初めてだったそうだが、まったく違和感なく普通に登って歩いていた。
雪が深くてラッセルを強いられる場合、スノーシューとワカンのどちらが有利か意見の分かれるところである。
トレースがない場合は沈みの少ないスノーシューが有利だが、地形によってはワカンが強みを発揮することもある。
スノーシューは浮遊力抜群だが、重さと嵩張る点がマイナスとなる。
しかしワカンは軽くて嵩張らず、スノーシューが苦手とする急な下りでも使える。
またワカンは安価で手に入るが、スノーシューは何倍もの値段である。
雪山はワカンでなければと主張する人もいるらしく、どちらも長所と短所があるのだから目的の山によって使い分ければよいだけのこと。
ラッセルにはスノーシューとワカン以外に山スキーを使う手があるが、山スキーは3級ぐらいの腕前がなければ山岳使用は困難である。
加藤文太郎はワカンではなく雪山に山スキーを持ち込んだ。
松濤明は風雪のビバークに「輪かん小考」を書いているだけに、アイゼンとの併用などワカン愛用者だったようである。
学生時代の雪山は常にワカンを携行し、アイゼンが必要になる稜線などではザックにつけて歩いていた。
山スキーを始めてからはワカンを使った雪山は減った。
単独で穂高あたりへ入るときでもワカンを持たず、樹林のラッセルをつぼ足でやっていたのはなぜだろうか。
ワカンは思い出の写真とともに居間の飾りになっている。
by nakatuminesan | 2013-12-26 17:35 | 昔むかし | Comments(0)