雪の立山に思うこと   

2012年 12月 15日

今年も残すところあと半月になり、立山の室堂山荘から来年のカレンダーが届いた。
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立山や剱岳を写した四季の写真のうち、小窓尾根のマッチ箱は学生時代の思い出がある。
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しかし雪の立山には苦い思い出があり、いつまでも忘れることができないでいる。
それは立山から槍ヶ岳までの単独スキー縦走2年連続敗退であり、30歳を迎えようとする30年以上も前のこと。

加藤文太郎は昭和6年の厳冬1月、薬師岳から烏帽子岳を単独縦走している。
また10年1月にも単独で立山から黒部谷に下り、針ノ木岳とスバリ岳に登っている。

あのころは体力と気力が充実していて、少しでも文太郎の足跡を追ってみたかった。
自殺行為ともいえる厳冬期を避けた3月を選び、装備や食料は極限ともいえる軽量化を図った。
計画は気合の入ったものだっただけに、今になっても引きずっている有様だ。
文太郎は31歳で風雪の北鎌尾根に消え、自分もその年齢域に入ろうとしている恐怖があったのも事実。

長く山をやっていれば納得のできない内容や心残りの山行はあるに違いない。
剣山に例えるならば、西島神社にさえ着かないうちに下山したようなもの。
立山は目的地ではなく、槍ヶ岳への出発地点だったのだから。

半分埋まった室堂山荘横に雪洞を掘り、むなしく過ごした何日間かをよく思い出す。
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by nakatuminesan | 2012-12-15 17:10 | 昔むかし | Comments(2)

Commented by 日々野やすらぎ at 2012-12-17 17:21 x
雪洞で何日も・・・って すごい。
私なら、すぐにココロが折れそうです(^_^;)

雪洞はけっこうあったかいと聞きました。本当ですか?
雪山遭難時に 一晩過ごさないけない場合で雪洞が掘れる状況であれば、雪洞の中にいたほうが体温を奪われないと聞いたことがあります。雪洞に入った経験はないので、寒いんじゃないのって思ってしまいます。
Commented by nakatuminesan at 2012-12-17 18:31
YASURAGI本舗さん、今日は高丸山へ行ったのですね。

雪洞の一番の利点は風を避けられることです。
外が猛吹雪でも雪洞の中は静かな世界です。
それに外気温がマイナス15度でも、中はせいぜいマイナス2度ぐらい。
もちろんコンロに火をつけ鍋でもすれば、ほとんど家庭と同じぐらい暖かいです。
当たり前ですが火を消すと家の中よりは寒く、朝はコッフェルの水に薄氷が張っている程度です。

2009年11月11日「雪山のねぐら」と、2011年3月11~12日「大山」の記事を参考にしてください。
やすらぎさんの知ってる顔が登場しますよ!
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