「いのち五分五分」   

2012年 07月 07日

山野井孝有 著 山と渓谷社 2011年7月発行
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著者は世界的クライマー山野井泰史の父親である。
高齢になった自分(80歳)の寿命と、山で死ぬかもしれない息子(47歳)。
どちらが先に死ぬかは「五分五分」だと、本書のタイトルはそういう意味である。

危険な登山を続ける息子について、不安と葛藤を孝有(たかゆき)氏が綴っている。
9歳年上の妻妙子との生活にも触れ、定職を持たず企業から支援を受けないのが二人の基本姿勢。
しかし父親として何度かの経済的援助、また精神的支援をしたことが書かれている。

第1章 「登山家になる」泰史の決意
第2章 母親は最高の応援者
第3章 ソロ・クライミングと自己資金
第4章 泰史のパートナー・妙子
第5章 私のマナスル、泰史・妙子のマナスル
第6章 ギャチュンカンからの生還
第7章 凍傷治療から再起へ
第8章 奥多摩での生活
第9章 クマとの遭遇
第10章 泰史、妙子との山
第11章「いのち」と向き合って

何度もの大怪我やヒマラヤにおける生還は、力量とは別の運の強さを持った山野井泰史。
二度会ったことがあり、一度目は1999年9月の徳島公演。
山野井34歳、わたし49歳ですから若いです。
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二度目は2ヵ月後のカトマンズ。
このとき山野井はポーランドの登山家クルティカとクーンブの無名峰を目指すも10月の大雪で装備を失い敗退。
日本に帰る前日のことで、妙子夫人も同席し夕食をともにしました。
本書にもあるように二人の態度は実におっとりしたものでした。

by nakatuminesan | 2012-07-07 12:12 | | Comments(0)

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