笠ヶ岳2897m   

2011年 12月 02日

北アルプスのどこから眺めても、一目でそれと分かる山に笠ヶ岳がある。
その姿はひときわ均衡のとれた美しさを誇っている。

立山から見る笠ヶ岳(中央) 水晶岳(左) 黒部五郎岳(右)
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ほとんどの山頂が県境に位置する北アルプスにあって、笠ヶ岳はまったく飛騨の山で、名実ともに岐阜県の最高峰である。

昔は釈迦賀岳、肩岳、大(おさ)ガ岳とも呼ばれていた。
古来から信仰の対象となり、1683年(天和3)に円空上人が開山したとされている。
また1823年(文政6)一向専修の念仏行者・播隆上人は、笠ヶ岳山頂から槍ヶ岳を眺め、槍ヶ岳開山を決意したと伝えられる。

山名は山容が笠の形に似ていることに由来し、槍ヶ岳から穂高連峰を眺める絶好のポイントとして知られる。
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積雪期であろうと新穂高ロープウェイから眺められるから、登山者でなくても笠ヶ岳を知る人は多い。
西穂高岳山頂からの笠ヶ岳
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ここでまた加藤文太郎が登場する。
1932年(昭和7)2月10日、槍の肩を6時に出発する。
双六岳に立ち寄り20時に笠ヶ岳に立ち、11日の14時20分に槍の肩に帰っている。

単独行から・・・
『睡眠不足と過労のため思うように歩けなかった。(中略)空腹を感じても、食事をしなかったので一層元気が出なかった。(中略)ルックザックの内容は一貫目もなかったから無事に槍肩へたどりつくことができた』
もちろん単独による厳冬期32時間行動であり、常識では考えられない超人的な脚力と精神力を発揮している。

槍や穂高の帰りは平湯温泉にある「ひらゆの森」で汗を流す。
ここの露天から眺める笠ヶ岳はなかなかお気に入りだ。
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初めて登ったのは学生時代の3月、烏帽子岳から縦走した春山合宿だった。
クリヤの頭からクリヤ谷にシリセードで滑り降り、露天風呂に飛び込んだ懐かしい思い出がある。

by nakatuminesan | 2011-12-02 11:57 | 日本の山 | Comments(0)

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