初めての北アルプス
2010年 04月 27日
山岳部に入部したばかりの大学1年、新人歓迎山行には連れていかれたが、何故かGWには合宿がなかった。
とにかく高い山に登りたかった。
アルプスにはまだまだ深く雪が積もっているというのに。
加藤文太郎が遭難死した槍ヶ岳に登りたかった。
山頂から北鎌尾根を見てみたいと思った。
ピッケルを買った。
東京トップの「トップ・スノーマン」4000円だった。
上高地へ向かう梓川では完成を前にした奈川渡ダム周辺の道路工事が行われていた。
河童橋から見上げた穂高のスケールには驚くしかなかった。
1日目は徳沢を過ぎた新村橋付近の河原でビバークした。
その場所を示した古い5万分の地形図は大切に保管している。
ツェルトはなかったのでシュラフに入って星空天井よろしくゴロ寝した。
こんなことは高校時代は毎度のことだったし、山岳部員になってシュラフを買っただけで嬉しかった。
明日は槍に立つと考えると興奮いっぱいで頭が冴えていた。
翌日は快晴で明けた。
雪で埋まった槍沢に入るとザラメ雪の反射で真夏のように暑かった。
下山する人からサングラスをしていないと雪盲になると指摘された。
サングラスもゴーグルもなかった。
雪盲になると大変だと思い、細い目をさらに細くした。
槍の穂先にはX型アイゼン(4本爪軽アイゼン)で取り付いた。
遠目には尖っているが簡単だった。
北鎌尾根は難しそうには見えなかった。
雪を付けた北アルプスの展望には感動した。
とにかく大きくて四国の山とはすべてが違うと感じた。
横尾あたりから目が痛み出したので大金を払って明神で素泊まりした。
痛めた目からは一晩中涙が出た。
トップ・スノーマン、今は部屋の壁に飾ってある。
by nakatuminesan | 2010-04-27 11:40 | 昔むかし | Comments(0)