阿波の山   

2010年 02月 12日

山を始めたばかりのころ購入した本に「阿波の山」がある。
徳島県の主な山岳を紹介した、いわゆる徳島初の本格的ガイドブックである。
監修と執筆には徳島の多くの岳人が関わり、徳島県教育会出版部が発行した。
昭和39年8月の発行だから45年前になる。
いまでは表紙は剥がれてしまったが大切にしている。
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主な山岳のルートのみならず、大剣谷を初め剣山周辺の谷も紹介されている。
その数は100以上にもなる。
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本書の地図は概略図程度でしかないし、当時は5万分の地形図しかなかったがコンパス片手に歩くことができた。
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徳島市最南にある勝浦川右岸の長柱の岩場も紹介されていて何度か登ったものだ。
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木頭の山などは非常に面白く、神戸丸への登路紹介では「出原から轟神社へ通ずる那賀側からの参拝道コース」がもっとも道がよいとある。
林道や作業道が延びた現在、当時の参拝道コースがどうなっているか興味が持たれる。
今では懐かしい木馬道とかも出てくる。
本書には「背たけ以上のスズダケが密生し、数メートル先を進む人の姿が見えない」
とある。
数年前から枯れたスズダケが目立つが、50年前はスズダケが斜面や尾根を覆っていたのである。
道路が整備された現在では奥深い木頭の山でも日帰りが十分可能であるが、当時は徳島市を基点に2泊3日の行程だった。
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全山植林に覆われた赤城尾山の当時はうっそうたる原生林で、紅葉の時期は燃え立つばかりの色どりが山全体を包むと書かれている。
こういう描写を眼にすると楽ができる現在が仕合せなのかと思ってしまう。

by nakatuminesan | 2010-02-12 15:30 | | Comments(0)

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