「山旅浪漫記」   

2013年 03月 02日

小林泰彦 著 山と渓谷社 2000年6月発行
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本を手にしたとき見たことがある絵だと思った。
それもそのはず、著者は1963年6月号から1972年4月号まで「山と渓谷」誌の表紙を描いているからだ。

著者はアウトドア大好き人間とかで好奇心は強く、本書では島の山旅、ネパールやアルプスのトレッキング、山用具、温泉と山などを色爽やかなイラストとエッセイで綴っている。
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序盤の「旅の山、山の旅」では、中学3年のときの槍ヶ岳から燕岳縦走や、その後の屋久島の宮之浦岳登山や利尻島の利尻岳登山が書かれている。
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自分が登った山ということもあるが、すぐ吸い込まれるように読み入った。
その表現が自然体で面白く温かく感じられたからだ。

山岳雑誌“山と渓谷”はたまにしか読まなかったが、興味ある内容のある号は買うことがあった。
今になってこんな表紙の号があったと、この絵を見ていると思い出す。
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# by nakatuminesan | 2013-03-02 10:31 | | Comments(0)

石鎚山1982m   

2013年 03月 01日

東の剣山地と西の石鎚山地に分けられる四国の山。
一般的には西日本最高峰の石鎚山がよく知られているだろうか。
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剣山と同じように1500m以上の山を多く擁する石鎚連峰であり、四国山地の脊梁をなすとともに西日本を代表する山岳である。
最高峰は天狗岳1982mであり、石鎚神社山頂社のある弥山1974mと、南東端に位置する南尖峰(なんせんぽう1982m)を合わせた三峰を石鎚山と呼ぶ。
山頂部は細長い岩稜となっていて、周囲は目もくらむような断崖絶壁を形成している。
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日本七霊山のひとつに数えられる石鎚山は石土毘古命を神とし、古くから御神体山として崇拝されてきた。
奈良時代から修験道場として栄え、青年期の空海も修行している。
平安期には熊野修験の影響を受け、近世に入って一般庶民の登拝が盛んになり、このころ岩場に鎖がかけられた。

日本七霊山のひとつとされた霊峰石鎚山だが、昭和43年に西条市側から石鎚登山ロープウェイが、また同45年には面河から土小屋に至る石鎚スカイラインが開通した。
昭和45年に登山リフトが開設された剣山と同じように、石鎚連峰にも開発の波が押し寄せた。
紅葉の季節が最も登山者が多いようで、弥山から天狗岳へは順番待ちの列が続く。
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土小屋からだと途中から左に入り、南尖峰へ突き上げる東稜を辿るのが面白い。
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山頂部にはハクサンシャクナゲやミヤマダイコンソウなどの貴重な高山植物が見られる。

海から近いという地理的なこともあり、積雪量は剣山と比べると少し多いように思う。
5年前になる3月9日に登ったときも雪が多く、弥山からの出だしはザイルを使った。
天狗岳へは雪稜が続いており、雪庇が張り出していたことにも驚いた。
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初めての登山は18歳になった高校卒業前の3月で、この年も雪が多かったことを今でも覚えている。
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# by nakatuminesan | 2013-03-01 14:12 | 日本の山 | Comments(0)

2013.2.27 蟠蛇森(ばんだがもり)『高知県』   

2013年 02月 28日

干支の山として知られる大蛇伝説の蟠蛇森769mに登ってきました。
なんと言ってもこの時期ですからお目当ては“雪割り桜”。
山頂へ向かう中腹では見事に咲き誇っていて、一足早く春を楽しみました。

高知道の土佐ICを過ぎると虚空蔵山が正面に見えてくる
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桑田山(そうだやま)神社前に駐車する
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桑田山地区の斜面がピンクに色づいている
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菜の花も満開となり南国気分満点
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濃いピンクの美しい花をつける雪割り桜は、正式にはツバキカンザクラ(椿寒桜)というそうです。
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地元の人に聞くと1000本の木があるそうです。
いなか寿司やポンカンそして土産が並び、雪割り桜を観賞しながら民家の横を通っていく。
まるでネパールのナムチェ・バザールのような雰囲気を感じます。
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雪割り桜のみならず春の花がいっぱい咲き乱れています。
シロバナタンポポ
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キランソウ
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オオイヌノフグリ
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段々畑には小夏などが栽培されている
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雨上がりのうえ日差しがあるためか蒸し暑く、アツイ暑いを口にしながら登れば須崎湾が見えてくる。
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道路を横切るNO4鉄塔まで登れば風は涼しく、この辺りの雪割り桜は5分咲きぐらいです。
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標高350mぐらいでしょうか、ここからが蟠蛇森の登山と言ってよさそうです。
案内標識に従い山頂へ向かいます
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高さ10mの鉄製展望台がある山頂に到着すれば、地元のS姫とN姫が歓迎してくれます。
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北方の石鎚山系は雲がかかっていますが、北西方向に鳥形山と明神山が見えました。
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アセビが咲き始めている
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トン汁とぜんざいをご馳走になりました(感謝です)
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彼女たちとは5年のお付き合いになります。
さすが雪山大好きレディとあって、高知のみならず徳島の山にも出没(失礼)し、お気に入りの剣山系を精力的に登っています。

お土産をいただいたうえ、S姫考案のゲームで楽しい時間を過ごしました。
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フキノトウを摘みながら下りました
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ポンカン、デコポン、生姜なんでも安く、雪割り桜の苗を買うなど最後は買い物ツアーになる。
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蟠蛇森がある須崎市の最高気温は17度にもなり、春爛漫ともいえる山歩きになりました。
雪割り桜は全体的に7分から8分咲きで、あと一週間は十分楽しめそうです。
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天候:晴れ時々曇り
桑田山神社8:55・・・9:50NO4鉄塔・・・11:15蟠蛇森12:45・・・13:35NO4鉄塔・・・14:40桑田山神社

# by nakatuminesan | 2013-02-28 10:27 | 山行報告(初級) | Comments(2)

2013.2.25 三嶺   

2013年 02月 26日

今月3日に続き今シーズン2度目の三嶺に登りました。
ここ10日ぐらいで何度か降雪があり、前回より積雪は増えていました。
しかし例年に比べて積雪は少ないといえます。
それでも快晴のもとで雪化粧を楽しめました。

積雪は15センチぐらいでトレースがあり、スノーシューは持たずに名頃を出発する。
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右前方に三嶺が輝き今日は楽しい雪山になりそうだ
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標高1250mあたりで突然リスが現れ、カメラを向けるが動きが素早く後姿だけ(画像中央)
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山スキーに快適そうな斜面が広がる
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風の通り道はトレースが消えている
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ダケモミの丘を過ぎると急斜面となり、標高1550m付近で剣山と次郎笈を見る。
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所々でトレースは消えているがラッセルというほどではなく、風の通らないタンネに入ればトレースが残っている。
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マユミの木まで登ってきた
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アイゼンを装着する
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水場の標識付近
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ツツジに付いた雪と青空が綺麗だ
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大岩が見えてくる
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ここのトラバースは雪の量と状態次第で難しく、積雪の少ない今年は問題なく通過できる。
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ネットは雪の重みで壊れたのか、シカは自由に出入りしている。
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池がある山頂稜線に出ると真っ白で、いやしの温泉郷からのスノーシューのトレースがある。
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山頂は近い
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珊瑚のようなコメツツジ
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嬉しいことに霧氷がある
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何度登っても雪の三嶺はいい~!
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西方は西熊山から天狗塚へ続く稜線
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東は剣山と次郎笈方面
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北は黒笠山~矢筈山~烏帽子山
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池は深々と雪に埋まっている
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避難小屋の前は風もなく、素手でのランチタイムも寒くない。
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岡山からの若者2人が下っていく
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わ~い♪
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ダケモミの丘からは正面に塔ノ丸を、右前方には剣山を見ながら下っていく。
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昨年から一般的になったこの尾根は自然林が多く、夏場はそうでもないが葉が落ちた冬場の雰囲気が気に入りました。

大歩危に咲くフクジュソウ
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天候:快晴
名頃8:10・・・8:55林道・・・10:05ダケモミの丘・・・10:50マユミの木・・・11:10水場標識・・・11:45三嶺11:55・・・12:05避難小屋12:35・・・12:50マユミの木・・・13:15ダケモミの丘・・・13:55林道・・・14:25名頃

# by nakatuminesan | 2013-02-26 10:27 | 山行報告(雪山) | Comments(0)

心に響く古い岳人の言葉   

2013年 02月 24日

今日は朝から北西風が強く、さぞかし高い山は寒いことでしょう。
昨日の塔ノ丸スキー行は正解だったようです。

単独行と風雪のビバークを読んで過ごす。
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あの加藤文太郎はタンネという言葉をよく使っている。
昭和3年12月31日の八ヶ岳入山で・・・
「一陣の西風がサーと吹いてきてタンネの森がジワジワとおののき、山はゴーと凄い音を立て(中略)僕はなんだか身顫いするような不安に襲われた。」

また昭和6年2月11日の鹿島槍ヶ岳では・・・
「冷ノ池付近には相当大きな雪庇が東側へ出ていたが、三月頃ほどのこともなさそうだし、つらくてもタンネの中を行けば心配ない。」・・・などなど。

タンネ"Tanne"とはモミを表わすドイツ語らしく、雪山では風を避けられる有難い存在。
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松濤明は昭和13年12月30日の八ヶ岳縦走のとき・・・
「永い間の忍従が報いられて、素晴らしい星空を迎えた。喜び勇んで鉱泉を出る。(中略)大切戸に下る。ここで昼食しようかとも思ったが、テルモスもなく、まずいパンなど食いたくもない・・・」
赤岳鉱泉を3時50分に出て硫黄岳~横岳~赤岳~権現岳を縦走し、なんと14時間後の17時40分には小淵沢駅に下山している。

驚くのはこのとき松濤16歳であり、私といえば徳島の山を歩き始めたころ。

鹿島槍ヶ岳と八ヶ岳は若いころ冬期単独縦走したことがあり、今日のような荒れた天気だと行動不可能かもしれません。
なぜか山の様子が気になります。
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# by nakatuminesan | 2013-02-24 14:31 | 昔むかし | Comments(0)