2015.9.27~29 木曽駒ヶ岳2956m~宝剣岳2931m~空木岳2864m
2015年 09月 30日
菅の台バスセンター11:15⇒⇒11:45しらび平12:00⇒⇒ロープウェイ⇒⇒12:07千畳敷12:40・・・13:40乗越浄土・・・13:45宝剣山荘13:55・・・14:20中岳・・・14:45木曽駒ヶ岳14:55・・・15:15中岳・・・15:35宝剣山荘(泊)
重荷に喘ぎながらロープウェイの下を登ったことがある。
それは47年もの昔になる山岳部一年生の秋合宿だった。
入部当時は右も左も分からない新人だったけれど、秋にもなれば右ぐらいは知っていた。
終点駅での昼食はソースカツ丼で、こちら方面の山では必ず食べることに決めている。
千畳敷カールの上には宝剣岳が聳え立ち、曇り空ではあるが見ごろとなった紅葉がお出迎え。
多くの観光客が遊歩道を歩いている。
乗越浄土までは標高差150m余りの急登だ。
ロープウェイで一気に高度を上げた影響が出ないように、ゆっくり登ってゆけば千畳敷カールが足元に広がっている。
乗越浄土に着くと目の前に見えるのは宝剣山荘。
おっ! 生ビール値下げとはラッキーだぞ~♪
受付をすませると夕食までは3時間もあり、予定している木曽駒ヶ岳に向かうことにする。
ひと登りした中岳2925mからは木曽駒ヶ岳が眺められ、山頂直下に建つ山小屋は頂上山荘である。
日本百名山に数えられる木曽駒ヶ岳2956mに登頂!
メンバーは大麻山に毎日のように通う女性4名で、そのうちの3名とは5月の屋久島をご一緒した。
Yさんご夫妻は2年前の塩見岳で3000m峰21座を終わらせていて、富士山以外の20座をご一緒させていただいた。
平均年齢は70近くになるみたいだが、ごらんのようにすご~く皆さん若々しい。
宝剣山荘は両側二段ベッドの8人部屋。
夕食準備で生ビールを提供できないと言われ、それじゃ500mlの缶で乾杯だ。
Yさんが作ったゴーヤの佃煮&チリメンがアテとは嬉しいね。
夕食はエビのテンプラとハンバーグ。
夕食後の18時前には中秋の名月を眺められ、きっと明日は素敵な縦走になるだろう。
9月28日(月)天候:快晴
宝剣山荘5:45・・・6:15宝剣岳6:25・・・7:15極楽平・・・7:25島田娘2858m・・・8:10鞍部2670m・・・8:40濁沢大峰・・・9:30鞍部2536m9:40・・・10:20檜尾岳11:10・・・12:55熊沢岳・・・14:50東川岳・・・15:20木曽殿山荘(泊)
甲斐駒ヶ岳から朝日が昇りはじめ、ほーら今日の快晴は約束されている。
天狗岩を右に見ながら宝剣岳を目指すと10分ほどで岩場となり、両手が使えるようにストックはザックに付けていく。
右(西)側はスッパリ切れ落ちた急斜面になっている。
クサリ場が終わり左に回り込むと小さな祠がある宝剣岳2931m。
千畳敷カールにも日が当たりはじめていて、秋の澄んだ空気に御嶽山もくっきりだ。
空木岳や南駒ヶ岳は雲に覆われているが、一時間もしないうちに晴れてくるに決まっている。
甲斐駒ヶ岳~仙丈ヶ岳~北岳~間ノ岳~農鳥岳~塩見岳~荒川岳~赤石岳~聖岳と南アルプス全山の眺望が広がるとは、今日は文句なしの縦走日和になったじゃないか。
農鳥岳と塩見岳の間には富士山も姿を見せている。
しばらくクサリ場が連続するのでお喋りは我慢して、知りたい山の名は安全地帯に着けば教えます。
なかなかバランスよく通過しているようで、皆さん岩場を楽しんでいるみたいで余裕かな。
安全地点にやって来て宝剣岳を振り返る。
三沢岳2846m
宝剣岳の左に見えているのは昨日登った中岳と木曽駒ヶ岳。
南方には越えてゆく檜尾岳や熊沢岳の眺めが広がっていて、極楽平や島田娘あたりはハイウェイになっている。
三沢岳の姿が変わる島田娘からは緩やかに下ってゆく。
すっかりトウヤクリンドウの花は終わっている。
気持ちのいい縦走路が続いているし西から吹く風も冷たくて、快適そのものなので5人娘の会話は賑わしくなってくる。
ウラシマツツジ
コケモモは47年前になる縦走のとき、喉の渇きに耐えきれず口にした思い出がある。
八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の間に奥秩父の山が雲に浮かんでいる。
振り返ると三角ピークの島田娘と伊那前岳が見えていて、今年の紅葉はなかなか綺麗だと感じている。
2670m鞍部から少しの登りで標高2724mの表示がある濁沢大峰だが、地形図からすると2740mを超えているようである。
かなり檜尾岳と熊沢岳が近づいてきたが、しばらくは岩場の稜線が続きそうで楽しそう。
この辺りは積雪期には快適な雪稜歩きになりそうだ。
それにしても真っ青な空が広がっていて、適度に風もあるから汗が出ることはない。
ヤマハハコ
檜尾岳の山頂部は東斜面が紅葉し、西斜面は緑濃いハイマツに覆われている。
その檜尾岳を前にして2536m鞍部まで下ってゆくのが勿体ない。
鞍部から見上げる檜尾岳の山頂は隠れている。
山頂までの標高差は200mだから、ゆっくり登っても50分ぐらいで着きますよ。
スローペースで150mほど登れば緩くなり、振り向くと隠れていた宝剣岳が姿を現した。
やがて檜尾岳2728mに到着し、今日の行程の半分を歩いたことになる。
熊沢岳から東川岳へと稜線が続いている。
空木岳
避難小屋の後方には南アルプスの山並みが連なっていて、眺めながらの昼ごはん&コーヒーは贅沢な時間だといえそうだ。
紅葉は標高2300mから2600mにかけてが見ごろになっている。
チングルマ
シラタマノキ
ナナカマド
熊沢岳までは小さなアップダウンが続き、すぐそこに見えていても時間がかかる稜線だ。
あの大岩で休憩しますからね。
大岩手前の面白いトラバースを終え、宝剣岳や越えてきた山並みを眺めながら休憩しよう。
大キレットの“飛騨泣き”にちょっと似ているような岩場を攀じ登る。
あと30分ぐらいで着きそうになってきて、ちょっとした岩稜を通過すると山頂の大きな岩が迫ってくる。
午後になっても雲の少ない秋晴れが気持ちよく、立休しながら眺めるのは三沢岳や檜尾岳に囲まれた伊那川の源流域。
熊沢岳2778mに登頂。
下から見えていた大きな岩は山頂ではこんな形になっている。
乗鞍岳
熊沢岳の南西斜面は緑濃いハイマツに覆われて鮮やかだ。
空木岳
熊沢岳を振り返る。
空木岳の池山尾根の後方には仙丈ヶ岳から荒川岳が連なっていて、塩見岳の左肩には富士山が山頂だけを見せている。
丸い形をした東川岳の向こうには南駒ヶ岳や赤椰岳が眺められ、越百山から縦走したのは4年前の秋だった。
空木岳は風格のある山容をしている。
しばらく岩場がなかったので元気が出てくるようだね。
渇いた喉にコケモモなかなか美味しいよ。
御嶽山と乗鞍岳を背にして最後の登りになりました。
今日の最終ピークとなる東川岳2671mに到着する。
朝一番に登った宝剣岳が小さくなってしまい、歩いてきた稜線を眺めるとよく頑張りましたね。
疲れているだけでなく事故や怪我の多い時間帯ですから小屋まではゆっくり慎重に下りますよ。
空木岳北斜面
木曽殿山荘が見えてくると5分で到着。
生はないから今日も缶ビールだよ。
夕食のおでんは定番になっていて、7種類だから喧嘩にならないように。
よほど岩場と縦走が面白かったのか、会話が弾むというか爆発状態になってきた。
南駒ヶ岳や第1ピークが夕日に焼けている。
宿泊者は35名ぐらいだから一人に一枚の布団でよく眠れそう。
9月29日(火)天候:快晴
木曽殿山荘5:40・・・6:40第1ピーク・・・7:25空木岳7:50・・・8:25駒石・・・9:00空木平分岐・・・10:25クサリ場・・・11:30遊歩道分岐・・・12:00水場12:30・・・13:25林道終点駐車場・・・14:30登山口・・・14:40駐車場
昨夜は他人の鼾を覚悟していたが熟睡でき、あれだけ大勢が大部屋に寝ていたとは信じられない。
ゴリラ、鼾には弱いので。
今日も長丁場だから朝食はしっかりと。
いきなりの急登に加えて奥二又沢から吹き上げる風が10mを超えている。
岩が現れると標高2782mの第1ピークに着く。
どうだと言いたくなるような青空が今日も広がっていて、昨日歩いた宝剣岳から熊沢岳にかけての稜線が眺められる。
今日も岩場歩きができるので嬉しそう。
昨日の経験があるので軽く登れるね。
日差しが有難く感じられる季節になってきた。
日本百名山の一つに数えられる空木岳2864mに登頂する。
足は軽快だし口もよく動く(失礼)皆さんで、特にIさんなど70代後半とは信じられない健脚である。
今回の山行で8座目のピークを踏んだことになり、あんなに遠くから歩いてきたんだよ。
南駒ヶ岳方面
昨日ほど澄んではいないが南アルプスが眺められる。
甲斐駒ヶ岳~仙丈ヶ岳~北岳~間ノ岳~農鳥岳
塩見岳~荒川岳~赤石岳~聖岳
さあ長い長い池山尾根を下りましょう。
駒峰ヒュッテ
面白い形の岩がある。
三沢岳の左後方遠くに乗鞍岳が眺められ、もちろん御嶽山は大きく見えている。
道は歩きやすく整備されていて、縦走路や山頂を振り返りながら下ってゆく。
奇岩
山頂から小さく見えていた駒石だけど、近づくと高さ8mぐらいありそうな巨岩。
デッカイ!
この辺りから紅葉が見られるようになり、ワーワーキャーキャー賑やかになってくる。
ハイマツの緑に赤や黄が綺麗に映えていて奇岩も面白い。
この眺め最高だね!
標高2530mあたりで空木平からの道と合流し、まだまだ赤や黄を楽しめる下りが続きそう。
尾根から外れ階段が現れると白峰三山が再び姿を現した。
巻き道が終わると痩せ尾根になり、現れるのが小地獄と呼ばれるクサリ場である。
足場の悪い箇所にはワイヤーが張られていて、大地獄と呼ばれる場所にはパイプ柵が設置されている。
標高が2000mぐらいになると紅葉は終わり、シラビソ林に入ってゆくと道は四国の山と変わらない。
広い尾根に出ると笹原が広がる遊歩道との分岐点。
タマゴタケを探すが見つからない。
水場で昼ごはん。
追い越したご夫婦が下ってきて「クマを見ましたよ。いやー驚きました」
先ほどの分岐付近で遭遇したらしく、距離は50mほど離れていたそうである。
カモシカ隊はお喋り軍団が賑やかで、きっとクマは遠くから覗き見していたのだろう。
センジュガンピ
再び仙丈ヶ岳や北岳が樹林の間から見える場所がある。
立派な標識があり初めてでも迷う心配はなさそうだ。
登山口まで4.9キロにはガックリするとともに、こちらを見ている猿が笑っているようだ。
タクシーを呼ぶこともできる林道駐車場だが、我々は山屋だから足に頑張ってもらう。
登山口まで秒読みになってきた。
トリカブト
スキー場を左に見ながらジグザグ道を串刺しに下ってゆく。
わ~! やったー 無事に元気に下山したわよ~♪
最後まで宝剣岳が姿を見せてくれ、こまくさの湯で汗を流して帰りました。
今回はアルプスデビューの女性もいて、きっと忘れられない思い出の縦走になるでしょう。
皆さまお疲れさまでした。
by nakatuminesan | 2015-09-30 12:42 | 山行報告(中級) | Comments(0)