2015.6.25~7.10 北海道の山旅(中編)
2015年 07月 13日
旭川6:00⇒⇒7:10旭岳駅(朝食)7:45⇒⇒旭岳ロープウェイ⇒⇒7:55姿見駅(1600m)・・・8:15旭岳石室(1665m)・・・9:10七合目・・・10:15旭岳(2291m)10:25・・・11:00裏旭キャンプ地(2075m)・・・11:30間宮岳(2185m)・・・11:50中岳温泉・中岳分岐(2050m)・・・12:10中岳(2113m)12:45・・・12:55中岳温泉・中岳分岐(2050m)・・・13:15中岳温泉(1850m)・・・14:00裾合平(1690m)・・・15:25姿見駅(1600m)15:30⇒⇒旭岳ロープウェイ⇒⇒15:40旭岳駅15:50⇒⇒16:55旭川
ロープウェイで標高を上げるとガスになっていく。
火山礫地が広がる地獄谷には噴煙が上がっている。
さすが百名山とあり道は整備されていて、合目を示す標識もあり富士山と変わらない。
今日は風が強いし気温も5度前後しかなく、M子さんはネパールで買ってきたマスクで寒さを防いでいる。
今回の最高峰となる標高2290.9mの旭岳に登頂する。
東斜面はキバナシャクナゲが広がっていて、晴れた日に登りたかったが1泊山行を残しているから仕方がない。
長い雪の斜面を下っていくのが面白いのかA子さんが張り切っている。
裏旭キャンプ地を過ぎるとガスの切れ間から間宮岳らしきが見えるようになり、曇りのち晴れの予報に期待してみるしかなさそうだ。
この分岐から東に向かうとトムラウシ山方面であり、Iちゃんは数年前に2泊して縦走を終えている。
北は中岳を越えて黒岳へと続いている。
分岐から北へ3分で間宮岳に着き、幕末の探検家である間宮林蔵にちなんだ山名である。
夏とは思えないほど西からの風が強く吹いて寒いので、中岳には中岳温泉への分岐からザックを背負ったまま登頂する。
山頂直下の岩場が風を避けられるので食事処によさそうだ。
中岳温泉へ下る尾根は背丈の低いハイマツに覆われていて、キバナシャクナゲに混じってエゾノツガザクラが鮮やかに花を咲かせている。
尾根から左下に下ると中岳温泉だ。
わ~ 本当に温泉が湧いているぞ~ 冷えた手を温めよう。
掘って入る人のためにスコップがあるけれど、この天気じゃ湯冷めと風邪が恐いからやめておく。
エゾノリュウキンカ?
スノーブリッジが壊れている。
旭岳北斜面の標高1800m付近は7月とは思えないほどの雪に覆われている。
雪が融けた箇所ではショウジョウバカマが見られ、昨年花を咲かせたチングルマの穂が一面に広がっている。
裾合平からロープウェイの姿見駅へ向かうが雪の道は続いている。
やがて雪は減りチングルマやミツバオウレンが咲くようになる。
ツガザクラ
標高1650m付近は緩い斜面が広がっていて、エゾノツガザクラやチングルマの大群落が見事というしかない。
夫婦池
3座の周回を終えて姿見駅に戻ってきて、展望はなかったが雨に降られなかったことがなによりだ。
夜はホテルから徒歩2分の大雪地ビール館でジンギスカン。
飲み比べセットは1000円だよ。
それにしてもよく飲んで食べるな~。
7月4日(土)天候:曇り
旭川滞在
車で30分ほどにある農園でサクランボ狩り。
500円で食べ放題とは高くない。
さあ食べるぞ~!
腹いっぱいになり種飛ばし競争になるも、二人のM子さんは食い意地が張っている。
旭川の道の駅を探すが分からず、新しいタイプのホームレスみたいになる。
午後は駅前のショッピングセンターへ。
毛ガニの値段を下調べ。
さんま1尾58円は安い!?
今夜はおとなしく部屋で食べようと、真面目なゴリラは買い物をする。
この季節の北海度は観光客や登山者で込み合い、どこの宿泊施設も満室状態になっている。
我々は天気予報を調べて山に登るから、事前に宿泊予約をすることができない。
ここ旭川のビジネスホテルも予約が多いため、毎日のようにシングル部屋を取ることは難しい。
それでも1日から4日までシングルや相部屋で6名が連泊できたが、毎日のように部屋を移動することになった。
7月5日(日)天候:晴れのち曇り ⑨富良野岳1912m ⑩三峰山1866m ⑪上富良野岳1893m ⑫上ホロカメットク山1920m
旭川6:00⇒⇒6:55十勝岳温泉登山口(1280m)7:15・・・8:20上ホロ分岐(1500m)・・・8:30水場(1480m)・・・9:55縦走路分岐(1730m)・・・10:40富良野岳(1912m)10:55・・・11:15縦走路分岐(1730m)・・・11:25標高1700m(昼食)12:05・・・12:50三峰山(1866m)・・・13:40上富良野岳(1893m)・・・14:00上ホロカメットク山(1920m)14:15・・・14:30上ホロ避難小屋泊(1820m 雪渓に水場有)
山が近くなると曇り空から一気に青空が広がって、なんと目の前には屏風のような山並みだ。
まるで原村あたりから眺める八ヶ岳連峰のようであり、雪化粧したときの姿を見てみたいと思わない山屋はいないだろう。
噴煙を上げる十勝岳を正面にして右が富良野岳で左は美瑛岳と、2度目となる1泊縦走のピークがすべて眺められる。
標高を上げるにしたがい富良野岳が大きくなってくる。
多くの登山者で混み合う登山口からひと登りすれば、緑濃い富良野岳が青空に映えている。
今日と明日の好天は約束されていて、メンバーの表情にも余裕と明るさが感じられる。
緑濃いハイマツに食い込む雪渓こそ夏山には欠かせない。
上富良野岳から西に派生する尾根を回りこんだ谷で水を補給する。
エゾコザクラ
緩く続いている道の向こうには富良野岳があり、振り返って見えるのは明日の朝一番に登る十勝岳。
縦走路分岐に立つとハイマツに覆われた三峰山が眺められ、火山礫地が広がる十勝岳とは対照的である。
山頂までの道は整備されていて、まさに花街道と言ってもよさそうだ。
チングルマ
エゾノハクサンイチゲの群落が斜面いっぱいに広がっていて、山は長いがこんな風景を見るのは初めてだ。
チドリやエゾコザクラが混じって咲いている。
エゾヒメクワガタ
キバナノコマノツメ?
キンバイ
イワウメ
快晴の富良野岳登頂とは嬉しいね。
明日向かう十勝岳の左後方に美瑛岳が眺められ、その後方遠くに見えるのは3日に登った旭岳方面だ。
さあ上ホロカメットク山へ向かって縦走だ。
富良野岳を眺めながら残雪の横でランチタイムとしたのには理由があり、食後にアズキ&ミルクかき氷を食べるため。
アズキ甘くて大好きなの。
テントがないぶん石狩岳よりも軽そうだけど、ツェルトが入っているゴリラのザックは変わらない。
ヒメイチゲ
三峰山(さんぽうざん)に着くころから雲が増えてくるが雨の心配はなさそうだ。
三峰山は名のとうり三つのピークを持っていて、小さなアップダウンを繰り返すと平らな上富良野岳が目前になる。
花畑が広がっている。
上富良野岳
急登を終えるとガスに包まれた上ホロカメットク山だ。
シェー古いなあ。
ガイドブックによれば原名はペナクシホルカメトットゥク(あと戻りする川の奥にある山の川上側)という説があるそうだ。
山頂直下の小さな岩場を下るとガスから抜け、東の谷には氷河のような雪渓が続いている。
上ホロ避難小屋が見えるぞ~!
三段山
上ホロ避難小屋
テントは2張りあるが先客はいなく、今夜の小屋は我々だけになりそうだ。
小屋から50mのところに残雪があり、すでにビールは冷たくなっている。
昨夜は外に出なかった真面目なゴリラだが、我慢できない二人は居酒屋だったみたいだよ。
女子会と酒飲み親父二人はおでんを持ち上げたとは立派だね。
水は残雪の末端で得られるから近くて便利である。
小屋は立派とはいえないが二階もあり、25人ぐらいは泊まれる広さになっている。
我々のあと2パーティーが到着するが、酒を飲んでいる雰囲気は感じられなかった。
7月6日(月)天候:快晴 ⑬十勝岳2077m ⑭平ヶ岳2008m ⑮美瑛岳2052m
上ホロ避難小屋(1820m)5:20・・・6:30十勝岳(2077m)6:40・・・6:55平ヶ岳(2008m)・・・7:25鞍部(1790m)7:35・・・9:05美瑛岳(2052m)9:30・・・10:15巻道合流点(1640m)10:50・・・11:20ポンピ沢(1410m)・・・12:05雲ノ平(1450m)・・・12:40雲ノ平分岐(1260m)・・・13:45望岳台(930m)14:30 ⇒⇒14:40白金温泉 15:20⇒⇒16:10旭川
ガスが出た夜中には風が強く吹いていたが、静かになると月夜になり2日目は快晴で明けた。
昨日は気がつかなかったが一帯はエゾコザクラの大群生地になっていて、まさに雲上の楽園と言ってもよさそうだ。
この貧しい朝食で美瑛岳まで歩くことができるだろうか。
さあ準備体操をして出発しよう。
雪渓のはるか向こう雲海に浮かんでいる山は、最初に登った東ヌプカウシヌプリにちがいないだろう。
富士山のような火山礫の斜面にジグザグを切り、着いた山頂は十勝連峰最高峰の十勝岳である。
1926年に起きた噴火では山麓の上富良野まで泥流を押し流し、144人の犠牲者を出した活火山である。
富良野岳の後方には芦別岳を遠望でき、道内きっての岩峰とあれば登らなければならない山である。
境山を経由して下ホロカメットク山への稜線も興味深い。
はたして道はあるのか分からないが、歩くなら残雪に覆われた5月が面白そうである。
ニペソツ山(右)と石狩岳(左)
美瑛岳の後方左右には旭岳からトムラウシ山の山並みだ。
名のとうりハイウェイのように平らな平ヶ岳。
好天の縦走ほど快適で楽しいものはない。
旭川方面は雲海になっている。
行ったことない月の砂漠?
数稼ぎではないので鋸岳には登らない。
なんか日本の山じゃないみたい。
鋸岳
本峰と西峰がある南アルプスの農鳥岳に姿が似ている美瑛岳であり、火山礫地が続くのでミヤマキンバイらしきしか見られない。
美瑛岳の東の肩まで登ると前方が開け、オプタテシケ山の左右に旭岳とトムラウシ山が見えてくる。
一帯は花畑になっていて雪も残っている。
旭岳方面を右に眺めながら進むとトラバースになり、吸い込まれそうな青空に向かうと美瑛岳に立つ。
やった~! 15座目登頂だ~♪
越えてきた富良野岳や十勝岳が見えるとは文句なし最高だね。
あとは富良野岳や十勝岳を眺めながら下るだけ。
今回の北海道で初めて目にするリンドウだ。
掘れた登山道を嫌って雪渓のほうが楽に下れるし、滑ってクリスチャニア(スキーのターン技術のこと)だと言うKさんは古い岳人だね。
400mほど下った巻道合流点での昼ごはんもカップ麺。
尾根を越えて急な道を下るとポンピ沢を渡渉する。
よほど雪が嬉しいのかご機嫌みたいだね。
美瑛岳は立派な姿をした山である。
緩やかな斜面が広がる雲ノ平付近にもいろんな花が咲いている。
イソツツジ
イワブクロ
吹上温泉に下山しようとしていたところ、雲ノ平分岐の下で「お~い」と呼ぶ声がする。
待てばなんと南国市の松ちゃんで、今年1月27日に泊まったシラサ避難小屋で、マグロのカマとスキミの刺身をご馳走してくれた男である。
昨日は十勝岳と美瑛岳に登ったあと美瑛富士避難小屋に泊まり、今日はオプタテシケ山を往復してきたそうだ。
望岳台で1泊山行の無事に感謝する・・・お疲れさまでした。
下山後の心配事は十勝岳温泉登山口までのヒッチハイクであるが、松ちゃんが車で送ってくれ目出度しとなり候。
白金温泉で汗を流し旭川のホテルへ。
今夜こそ皆で居酒屋へ行くしかないでしょう。
もちろん松ちゃんも一緒に乾杯だ。
太いネマガリタケは栽培か?
飲めるだけ呑んだって感じだね。
by nakatuminesan | 2015-07-13 10:09 | 山行報告(中級) | Comments(2)
カモシカの皆さん、お世話になりありがとうございました。
今日は斜里?に登ろうとしたが、すごい雪だったので、勇気ある撤退を
したとか・・・へ~今年は残雪が多いのですね。
わたしは、明後日合流の予定ですが、台風が心配です。
ご主人と一緒に楽しい時間を過ごしました。
17日に合流してどこの山に登るのでしょうか。
羅臼岳~硫黄山縦走でしょうか?
またの連絡を待っています。