2015.6.25~7.10 北海道の山旅(前編)
2015年 07月 11日
主な山はニペソツ山、石狩岳、旭岳、十勝岳などであり、16座登頂の計画である。
6月25日(木)
ついでに天の橋立に寄って行く。
早くも舞鶴で乾杯するメンバーの表情から、山旅ならぬ酒旅になりそうな気配がしないでもない。
6月26日(金)
舞鶴港0:30⇒⇒新日本海フェリー⇒⇒20:45小樽港⇒⇒21:10スマイルホテル小樽
新日本海フェリーには風呂もありごきげんだ。
10時15分には小樽港からのフェリーとすれちがう。
船は30.5ノットで小樽を目指していて、その速度に我々も負けてはいられない。
レストランでの昼食にもビールは追いかけてくる。
16座登頂を目指して小樽の居酒屋で上陸祝。
6月27日(土)天候:曇り ①東ヌプカウシヌプリ1252m
スマイルホテル小樽8:00⇒⇒8:10小樽IC⇒⇒札樽道⇒⇒道央道⇒⇒道東道⇒⇒10:40十勝清水IC⇒⇒11:40白樺峠(900m)12:00・・・13:10東ヌプカウシヌプリ(1252m)13:40・・・14:25白樺峠(900m)14:45⇒⇒15:30東大雪ぬかびらユースホステル(泊)
北海道特有の直線道路
キタキツネ
雨が止んだ登山口からは東ヌプカウシヌプリの山頂が見えている。
チドリ
チシマフウロ
ゴゼンタチバナ
斜面から稜線に立つとダケカンバ林になり、雲の切れ間から然別湖南側の白雲山方面が望める。
1座目にはあっけなく登ってしまい、南に開ける帯広方面は雲海が広がっている。
ナキウサギを一目でもと思い南の岩場に向かうとミヤマオダマキが群生している。
ナキウサギを発見するが穴に入って姿を隠してしまい残念。
細身のわらわは少しの雨ならこれで大丈夫。
千畳崩の風穴にもナキウサギが棲むといわれ、カメラを構えるが姿を見せてくれない。
今宵の宿は糠平湖畔の東大雪ぬかびらユースホステルだ。
北海道の初登山を祝して屋久島の本格芋焼酎三岳も登場する。
明日はニペソツ山なんだから夕食はしっかり食べるんだよ。
6月28日(日)天候:曇り ②ニペソツ山2013m
ぬかびらユースホステル4:50⇒⇒R273⇒⇒5:30杉沢登山口(1020m)5:45・・・8:00天狗のコル(1585m)・・・9:30天狗平(1800m)・・・10:30鞍部1730m・・・11:35ニペソツ山(2013m)12:05・・・12:45鞍部1730m・・・13:50天狗平(1800m)・・・15:00天狗のコル(1585m)・・・17:00杉沢登山口(1020m)17:05⇒⇒R273⇒⇒17:35ぬかびらユースホステル(泊)
今日のニペソツ山は今回の大きな目標であり、この山を登らなければ北海道を語れないとさえ言われている。
日曜日とあり早くから車がたくさん停まっている。
ゴリラのザックには昨日の山で拾ったクマ避けの鈴がついている。
出発してすぐに十六ノ沢を渡渉する。
昨日の山と同じでミツバオウレンは足の踏み場もないほど咲いている。
標高を上げていくと東大雪らしい針葉樹林となり、笹に混じってネマガリタケも増えてくる。
小天狗岳南の小さな岩場をトラバースすると視界が開け、前方にはダケカンバ越しに前天狗が見える。
南にはウペペサンケ山が堂々とした姿をしている。
天狗のコル付近は花畑になっていて、エゾノツガザクラやエゾコザクラが盛りを迎えている。
ヒメイチゲ
サンカヨウ
エンレイソウ
前天狗への登りでは石狩岳も眺められ、天気次第で明日はあの山に向かうことになる。
曇り空とはいえ表大雪もよく見えていて、カンカン照りよりも涼しくて快適だ。
ハイマツ帯の岩場に動く動物がいて、ナキウサギかと期待するがシマリスだ。
前天狗のトラバース道一帯はイワウメの花畑になっていて、振り返るとユニ石狩岳が低く見えるようになってくる。
天狗平で初めてニペソツ山と対面する。
後半に予定している十勝岳や美瑛岳にも残雪が多い。
エゾノハクサンイチゲ
キバナシャクナゲ
トムラウシ山(左)~五色岳
天狗岳の西側を巻き終えるとニペソツ山が圧倒的な姿で迫ってくる。
ここから100m余りの下りが待っていて、ちょっと下ったあたりからの姿は文句なし。
1730m鞍部からは表大雪の眺めがすばらしい。
残す標高差は眉山ぐらいになってきたが急登だ。
肩まで登り見上げる山頂東側は切れ落ちている。
傾斜が緩くなった肩から西にトラバースすると尾根に乗り、方向を南に変えると山頂は目前になる。
ニペソツ山に中古飛行機が飛ぶ。
元気よ~女子飛行隊!
標識は片道7キロだが本では8キロになっていて、越えてきた天狗岳や前天狗を眺めていると10キロにも感じられる。
糠平湖
天狗平まで戻りニペソツ山を振り返る。
9時間ぐらいで往復できると思っていたところ、ナキウサギと花に時間をかけたとはいえ11時間行動となり候。
なかなか骨の折れる山とはいえ、今日は大物を片付けワインで乾杯~♪
デザート
今日の長時間行動から明日は休養日としたいが、後半の1泊計画を考えると貴重な好天を逃すわけにはいかない。
明後日の午後は降られる覚悟で石狩岳テント泊を決定する。
6月29日(月)天候:晴れのち時々曇り ③ユニ石狩岳1756m
ぬかびらユースホステル8:15⇒⇒R273⇒⇒8:45登山口(765m)9:05・・・10:50水場1100m・・・12:40十石峠(1576m)13:05・・・13:45ユニ石狩岳(1756m)13:55・・・14:25十石峠(1576m)・・・15:35ブヨ沼テント泊(1626m)
朝が早い昨日はオニギリだったけれど、今朝はしっかり食べて東大雪ぬかびらユースホステルを出発する。
登山口には我々しかいない。
ポプラの上空には青い空が広がっていて、せめて明日の午前中は雨になってほしくない。
テント泊だからザックは10キロぐらいありそうだ。
標高1100mの小さな沢で水を補給する。
ツマトリソウは群生して咲いている。
今日の頑張り処は十石峠までの標高差450mであり、2回の休憩を入れた3ピッチでゆっくり登ろう。
ミヤマハンショウヅル
標高1400mを超えると視界が開けるようになり、嬉しいかな昨日登ったニペソツ山が眺められ、その左後方にはウペペサンケ山が山頂部を見せている。
石狩岳も山頂を出している。
標高1450mで尾根に乗るとユニ石狩岳の緑が鮮やかだ。
四国では濃い緑になってしまったが、ここ北海道では新緑といってもいいぐらい。
ゆっくりペースを心がけ標高差450mを1時間40分で登りきり、十勝と石狩の境にちなむ地名の十石峠に着く。
おにぎりの昼食を済ませて空身でユニ石狩岳を目指そう。
コマクサ
ユニ石狩岳から望む石狩岳には怪しい雲が出てきたが、今夜は降るようなことはないと信じている。
十石峠からは前方の緩いピークを越えていく。
ハイマツの枝は伐採されているがハイウェイではない。
1680mピークからはブヨ沼の鞍部が見下ろせ、前方に望めるのは明日越えて行く音更山である。
ブヨ沼
まずやる仕事は残雪で缶ビールを冷やすことである。
テントはIちゃん、Kさん、Aさんの3人が新品で、可哀想に真ん中の緑はゴリラのツェルトである。
テントの設営が終わるころにはビールが冷えていて乾杯だ。
元気者のAさんが水場まで下ってみるが、得られないので雪を溶かすしか方法がない。
現地調達したネマガリタケを焼いて食べよう。
味噌をつけると格別な味がして美味しく癖になりそうだ。
シカも食べたいのか近くまで寄ってくる。
女子会は卵の話でおおいに盛り上がり、ほーら美味しそうなおじやが出来上がり。
ブヨなどの虫を心配したテント場だが、メンバーを恐れて遠慮したみたいだよ。
6月30日(火)天候:曇りのち雨 ④音更山1932m ⑤石狩岳1967m
ブヨ沼(1626m)5:00・・・7:20音更山(1932m)・・・8:30シュナーダー尾根分岐(1770m)・・・9:15石狩岳(1967m)9:20・・・9:50シュナーダー尾根分岐(1770m)・・・12:35尾根末端(940m)・・・13:35二十一ノ沢出合(800m)・・・14:05登山口(765m)14:20⇒⇒R273⇒⇒15:25層雲峡ペンション銀河(泊)
3時過ぎには明るくなりはじめ、すばやくパンとスープの朝食だ。
ユニ石狩岳にも雲はかかっていないが、早めにテントを撤収して出発しよう。
しかし行動を起こすころには石狩岳は雲に覆われる。
ついに音更山の肩で雨模様になり、雨具を装着するがすぐに止んでしまう。
しかし風が強く防寒のため雨具は欠かせない。
肩の付近は広い尾根状になっていて、ショートカットのつもりが方向の間違いにコンパスが活躍する。
音更山は写真撮影の1分間のみで石狩岳へ向かう。
南に向かう尾根は石がガラガラで、風も強くて天候不良時には要注意だ。
100mほど下るとガスから抜け風も弱くなる。
展望に期待はできない石狩岳ではあるが、シュナーダー尾根分岐に荷を置き山頂を踏みに行く。
キンバイが咲きはじめている。
チングルマやエゾノツガザクラにエゾコザクラが咲き乱れている。
雪渓の周辺にはエゾノハクサンイチゲの群落が広がっている。
キバナシャクナゲ
なんにも見えないが嬉しい石狩岳山頂だ。
山頂をあとにするころから雨が降りはじめ、岩場が連続するシュナーダー尾根上部は安全が第一だ。
ツガザクラ
ツツジ
標高差830mを2時間40分かけて尾根の末端に降り立つと一安心。
あとは簡単な渡渉と林道歩きが待っているだけである。
あまりの空腹に層雲峡でラーメンを腹に入れ、店の人に「ペンション銀河はどこですか?」
「隣がそうですよ」には大爆笑。
かけ流しの風呂に入り豪華な夕食が出て、前半の山を終えることができ言うことはなし・・・感謝。
ニペソツ山と石狩岳は深田クラブ二百名山に入っているらしく、2座ともに趣きのある山だと感じたのは全員ではなかろうか。
7月1日(水)天候:曇りのち小雨
層雲峡⇒⇒旭川
天気がいまいちの今日と明日は休養と観光で過ごそう。
大雪森のガーデンは大雪山系を望む丘陵に広がっていて、500品種を超える草花が咲き誇る森の花園だ。
入園料1500円とはちと高い気がするが、せっかくの北海道だから奮発するとしよう。
ヒマラヤの青いケシと呼ばれるブルーポピー
森の木琴
3週間後には見ごろとなるヒマワリ畑
大雪山は雲に覆われている。
午後は旭山動物園へ行ってみよう。
これ以外にも動物はたくさんいて入園料820円は安い。
雨の旭川には居酒屋がよく似合う?
7月2日(木)天候:曇り
旭川滞在
昔から知られる秀岳荘は北海道初の登山用品店である。
店内の品揃えは豊富で欲しい物がいっぱいだ。
欲しかったMaid in Nepalのフリース(7000円)を買ってしまった。
Sherpaの文字が気に入っている。
ネパール料理店を見つけたものだから、これはもう食べにいかなければなりません。
スタッフはネパール人の3名で、地震やトレッキングを話題にした。
少し辛味が物足りないが3ヶ月ぶりの味に満足し、ナンはおかわりできて1000円ぐらいだったかな。
by nakatuminesan | 2015-07-11 15:45 | 山行報告(中級) | Comments(4)
北海道の雄大な大自然と毎日の乾杯で笑顔満杯ですね!
私も行きたかったなあ・・・・(残念)
またお話聞かせてください。
言ってましたが、今回その気持ちがわかるような気がしました。
これで語るぞ~!(笑)
鶴木ガイド、皆さん、ありがとうございました。
れんさん、今度は是非!
北海道の山を楽しんできました。
四国や信州方面とは違った魅力があると感じました。
来年も北海道を計画したいと思っています。
ぜひご一緒しましょう。
明日と明後日は後編を書くのでお楽しみに。
皆さんと天候のおかげで予定した山を登ることができました。
ありがとうございました。
ニペソツ山とテント泊の石狩岳で北海道の山を語れますね。
それにしても・・・よく歩いてよく飲みましたね。
来年もテント泊を企画しようと考えていますよ~。