2014.7.27~31 南岳~大キレット~北穂高岳~涸沢岳~奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳(前編)
2014年 08月 01日
上高地13:30・・・14:10明神・・・15:05徳沢・・・16:10横尾山荘(泊))
河童橋から見上げる穂高の稜線は雲に隠れている。
いつ歩いても退屈する梓川左岸の道だけど、正面に中山が見えてくれば横尾山荘までは10分だ。
まずは入山祝いとくるから山はやめられない。
7月28日(月)天候:晴れのち時々曇り
横尾山荘5:45・・・6:40二ノ俣・・・7:15槍沢ロッヂ7:25・・・8:20水俣乗越分岐・・・9:30槍沢・天狗原分岐・・・10:15天狗原(天狗池)10:50・・・11:20コル2700m11:30・・・12:45槍ヶ岳分岐・・・13:10南岳・・・13:25南岳小屋(泊)
目覚めると前穂東壁が朝焼けしていて、今回の穂高縦走が天候に恵まれそうな予感がする。
屏風岩の右奥には山頂稜線に雪を残す南岳を望める。
ゴゼンタチバナ
グンナイフウロ
槍沢ロッヂを過ぎると水俣乗越が正面になり、これまでの木陰とは違って日差しの道を進むことになる。
キヌガサソウ
やがて昨年の北鎌尾根へのアプローチとなった水俣乗越の標識があり、急ぐこともないし大喰岳を眺めながら小休止。
クルマユリ
大曲がりで槍沢は西に方向を変え、残雪が豊富な中岳と大喰岳が正面になる。
下山してくる人に聞くと昨日は午前中雨が降り、止んだ午後も風が強かったらしい。
今日は文句なしの青空が広がっているし、稜線に食い込む残雪はまさに夏山だ。
シナノキンバイ
サンカヨウ
標高2350m付近が天狗原への分岐になっている。
雪の斜面をトラバースするが緩んでいるのでアイゼンは必要ない。
キバナシャクナゲ
標高を上げていくと隠れていた槍の穂先が姿を現しはじめる。
ハクサンフウロ
斜面の急な箇所では雪切りされていて、中岳から大喰岳にかけての東面には残雪が多い。
氷河公園とも呼ばれている天狗原には天狗池があり、逆さ槍が映るが池は雪に埋まっている。
紅葉のころにも一度は来てみたいと思わせる場所である。
天狗原は雪解けが一気に進んでいて、いろいろな花が咲きはじめている。
チングルマ
イワカガミ
ミネズオウ
アオノツガザクラ
ミツバオウレン?
ミヤマダイコンソウ
横尾尾根の2700m鞍部からは北穂高岳を正面にするが、前穂高岳は北尾根から山頂が雲に覆われている。
タカネヤハズハハコ
ハクサンチドリ
槍ヶ岳
ハクサンイチゲとミヤマダイコンソウ
ヨツバシオガマとミヤマダイモンジソウ
稜線直下は急な岩稜になっていて、ハシゴやクサリが設置されている。
リンドウ
稜線に立つと北鎌尾根の独標が顔を出していて、8月に計画しているので楽しみだ。
南岳
稜線西側の緩い斜面にはハクサンイチゲが咲き誇っている。
イワウメ
南岳まで20分とはかからない。
南岳3033m
シナノキンバイ
南岳小屋
広島から来たという姐さんも加わって、ああでもないこうでもないと山談議。
ほろ酔い気分になった夕方にはガスが晴れ、明日は好天のキレット越えになりそうだ。
7月29日(火)天候:晴れ
南岳小屋5:40・・・6:30大キレット最低コル・・・7:10長谷川ピーク・・・7:40A沢のコル・・・8:00飛騨泣き・・・9:00北穂高岳9:50・・・10:55最低コル・・・11:40涸沢槍・・・12:15涸沢岳12:35・・・12:50穂高岳山荘(泊)
昨夜は恐い夢にうなされてしまい、ついに最後には大声を出してしまった。
起こしてしまったのはカモシカ隊のメンバーのみならず、部屋の人たち全員だったと思うと恥ずかしい真夜中の出来事。
北穂高岳が朝焼けしているから今日の好天は約束されている。
今日からは岩稜帯の縦走となるので、全員かっこいいヘルメット姿になる。
南アルプスの甲斐駒ケ岳から聖岳まで見えていて、嬉しいことに遠く富士山が浮かんでいる。
さあ北穂に向かって出発だ。
早朝の日陰は寒さを感じるほどで、しばらくは雨具の上着が必要だ。
27段ある鉄ハシゴを降りるとガラガラの岩稜になる。
イワギキョウ?
わたし頑張るわよー!
あたいだって張り切ってる~!
長谷川ピークには簡単に着いてしまう。
振り返ると南岳が城砦のようで迫力がある。
ここからがキレットの核心部となり、岩稜を右に左にと進むのが面白いが下りなので慎重に。
ミヤマオダマキ
A沢のコル
ここからは傾斜を増した登りとなり、常に上部からの落石には要注意である。
少し高度を上げると長谷川ピークがよく眺められる。
クサリが張られている箇所もあるが、岩場では三点確保が基本的動作となる。
だんだんと北穂高小屋が大きくなってくる。
長谷川ピークと同高度になれば薬師岳や黒部五郎岳の展望が得られる。
リッジに出ると難所といわれる“飛騨泣き”が待ち構え、鎖と足場が設置されてはいるが下りの事故が多い箇所である。
登り切るとナイフリッジの通過が待っていて、どんなことがあっても転落は許されない。
あの岩が第一尾根で左のフェイスがクラック尾根と、むかし攀じたというゴリラの説明には無関心かな。
この先に落石注意のザレ場があり、小休止の後ひと登りすると槍ヶ岳が山頂部を見せている。
イワカガミ&ハクサンイチゲ&アオノツガザクラ
滝谷第一尾根
花が増えてくると簡単な登りになり、休憩中の人たちで混みあう小屋に到着する。
カモシカ隊もコーヒーを入れて昼ごはん。
槍ヶ岳の左後方には鷲羽岳、右後方遠くは白馬岳も見えている。
前穂高岳と北尾根
シコタンソウ
前穂高岳と奥穂高岳の右には明日の朝越えて行くロバの耳とジャンダルム。
北穂高岳3106m
白山
松濤岩の基部には毎年のように遅くまで雪が残っている。
ひと登りで着いた南峰からは再び岩場の連続になる。
涸沢カールにはまだ多くの雪があり、ライオン岩(手前)とザイテングラード(中央)が島のようだ。
イワベンケイに負けじと白いイワツメグサが咲いている。
C沢上部のトラバースは簡単だが、厳冬期は風が強いし雪の状態では困難な箇所となる。
笠ヶ岳~抜戸岳
岩稜の登りやトラバースが続くが、咲いている花と涼しい風に癒される。
クサリの凹型を登ると涸沢岳山頂稜線に出る。
涸沢岳3110m
ロバの耳とジャンダルムが大きく近づいてきた。
毎度のことながらビールで乾杯は楽しい一時だ。
サンデッキで昼寝とは贅沢な時間を過ごしている。
ジャンダルムが夕日に焼けないかと待つこと1時間。
雲が邪魔をしたためジャンダルムに夕日は当たらないが、小刻みな雲の動きを眺めていて飽きることはない。
by nakatuminesan | 2014-08-01 19:38 | 山行報告(上級) | Comments(0)