2014.3.4 石鎚山
2014年 03月 05日
成就社のあたりでは霧氷が輝き、弥山や天狗岳が早く登ってこいと招いている。
数日前の雨で緩んだ雪が今朝の冷え込みで硬くなっていて、早々と成就社からの下りでアイゼンを装着する。
ワンタッチタイプなら20秒で両足に装着ができ、今日なんかはいいとして悪天候下では楽である。
八丁へ下る途中で山頂が呼んでいる。
日曜日のものと思われるトレースがあり、朝から日差しのある前社森の直下では少し雪が緩んでいる。
夜明峠手前のピークは北面をトラバースし、左に回り込めば山頂が迫ってくる。
今日の雪はよく締まっていて、どこを歩いても沈むことはなく快適だ。
この夜明峠のブナに霧氷があれば見事だが、この天気では融けて落ちてしまっている。
けっこう東稜の矢筈岩が目立っていて、弥山から天狗岳と南尖峰に続く山頂稜線もいい感じだ。
二ノ鎖元小屋の手前では雪に亀裂が走っていて、もう春がそこまで来ている感じがする。
鳥居は深く埋まっていて、ストックはデポしてピッケルに持ち替える。
鳥居の上からは巻き道となり、西にトラバースを終えると鉄製の階段となる。
山側は埋没しているが谷側は露出した状態で、日差しがないので霧氷がたくさん残っている。
その先の10mほど直上する階段は完全に埋没状態だ。
この登りで突然Tさんの左のアイゼンが外れるアクシデントがある。
近づいて見てみると前後が離れてしまい、ジョイントの部分に原因がありそうだ。
現場は45度の急斜面とこの硬雪だ。
ピッケルのブレードで硬雪を削り足場を確保する。
O氏にも応援をお願いして修理を試みるも、この急斜面では場所が悪過ぎる。
なんとか応急的に靴にセットはできたが、いつ外れるか分からないアイゼンでは上に向かえず下山を決定する。
再びアイゼンが外れることを想定し、すぐ横にあるモミの木を支点にしてザイルを出す。
シュリンゲを簡易ハーネスとし、10mの急斜面だけは後ろ向きにゆっくり下る。
階段の所は手摺りが支点になるので安心だ。
雪の斜面は立ち木を支点とし、二ノ鎖元小屋が近づけば心配はなくなる。
瓶ヶ森や天狗岳を眺めながら昼ごはん。
アイゼンを点検してみると部品の損傷はないようで、ジョイント部分の穴が完全に固定されていなかったとしか考えられない。
三角の形をした黒岩山の右後方は手箱山と筒上山。
午後になっても雪の緩みは少なくアイゼンがよく効く。
夜明峠上の斜面で滑落停止の練習をする。
滑落停止を学生時代はジッヘルと呼んでいて、ザイルやピッケルでスリップを止めることであり、ドイツ語で確保という意味である。
アイスバーンの富士山や夏の硬雪雪渓で、何百回となく繰り返し練習をした。
まず基本的動作をやってみよう。
ゴリラが手本を見せようか。
こりゃ止まらないぞ。
まずまずですな。
いくわよ~!
姐さん左脇が甘いぞ。
止めてやるから見ておくれやっしゃ~!
あんさんも左の腕が上がっておりまへんな。
言いにくいが最悪・・・ゴメン。
何度も練習しよう。
応用もやってみよう。
怖い逆さジッヘルに挑戦だ。
君い~それじゃ滑っているだけで、顔が笑っているようでは失格なり。
アイゼンがダンゴ状態になり、スリップを瞬時に止めるテクニックだ。
おっ 決まったぞ!まぐれ?(失礼)
なかなか難しいわいな~
30分ほどでしたが皆さん真剣に取り組んでいました。
成就社まで戻ると空は完全に曇ってしまいました。
天候:晴れのち曇り
ロープウェイ成就駅8:50・・・9:15成就社・・・9:40八丁・・・10:35前社森・・・11:00夜明峠・・・11:25二ノ鎖元小屋・・・11:45標高1840m地点12:10・・・12:40二ノ鎖元小屋13:00・・・13:15標高1700m地点13:45・・・13:55夜明峠・・・14:10前社森・・・14:50八丁・・・15:25成就社・・・15:50ロープウェイ成就駅
by nakatuminesan | 2014-03-05 12:19 | 山行報告(雪山) | Comments(0)