峠   

2012年 06月 21日

わが国には約1万もの峠があるそうだ。
峠の語源は旅路の安全を祈って道祖神に手向けをするところから、タムケがトウゲになまったという説がある。
また古くから山の鞍部をタワと呼んでおり、そこを越えるタワゴエがトウゲに転じたとの説も。

山地の多いわが国では、古くから人馬が通行する山越えの峠道がいたるところにあった。
しかし峠越えは道中の難所であり、宿場や茶屋があることが多かったと聞く。
時代の変化とともに急速に変貌してしまった峠ではあるが、道祖神や地蔵尊などに昔の名残をとどめている。

吉野丸と神戸丸の間にある上越峠は別名笹尾峠とも呼ばれ、文化11年と彫られた地蔵尊が立っている。
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尾根や稜線で隔てられた地域からの峠道は谷に沿い、谷の奥からは一気に尾根に取りつき、急ではあるが短い距離で峠を越えている。
足に頼っていた昔人たちの峠越えは地域間の交流や生活だけでなく、嫁入りもあっただろうし里帰りもあったはず。
それらを偲べば山歩きはいっそう味わい深いものとなる。

牟岐・海陽町境の矢助峠。
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青ノ峠の石標には「川なり」とある。
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峠といえば思い出すのは南アルプス。
学生時代よく歌った「北岳の歌」がある。
♪峠はるかに重荷にあえぎ あい見る山は北岳の峰よ♪ 
はるかに越える峠は夜叉神峠であろう。

新雪輝く南アルプス稜線を歩いたのは18歳の秋11月のこと。
茶臼岳から聖岳・赤石岳・荒川岳を越えて塩見岳から二軒小屋へ下り、標高差500mを登り返した転付(でんつく)峠も懐かしい。
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by nakatuminesan | 2012-06-21 10:47 | 昔むかし | Comments(0)

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