夏から秋へ   

2011年 08月 31日

明日から9月ということは、季節は夏山から秋の山へと移っていきます。
梅雨明けが早くて喜んだものの、全般的には天候には恵まれなかったようです。
特に信州方面がそうだったような気がします。

それでも登山者は山へ向かい、悲しい事故も多発しました。
山岳遭難は道迷い、滑落、転倒が多く、全体の70.2%を占めているというデータがあります。
年齢別には55歳以上の遭難者が多く、全遭難者の約60%を占めています。
そのうちの60歳代が特に多く、その年代の登山者が多いのが理由です。

剱岳や穂高岳では滑落などによる死傷者が出ない年はありません。
言葉は荒いかもしれませんが、人気の山にあれだけ多くの登山者が集中すれば、犠牲者の出ないことが不思議だとさえいえそうです。
もともと岩で構成された危険を伴う山であり、自分では防ぎきれない落石の危険にも曝されているからです。
夏から秋へ_c0219866_18162098.jpg

加齢とともにバランスが低下することも滑落や転倒の原因となっています。
岩場を通過するときの基本技術に三点支持(三点確保)があります。
常に両手両足の4点のうちの3点で身体を確保しバランスを保つことです。

先日の剱岳でのことです。
岩場を前にして「三点支持」を話すと、「無意識に三点支持になるよね」との答えがありました。
確かにそのとうりで、岩場に限らず急斜面などでは自然に三点支持で行動するのが本能。
しかし三点支持は十分に知っていても、加齢によるバランス感覚の衰えがあるはず。

落石の恐れのある場所では、上部を行く登山者の動きを見ながら行動し、危険地を抜けるまでの休憩は厳禁。
夏から秋へ_c0219866_18163916.jpg

山に登る以上は誰でも遭難や事故に遭遇することは考えられます。
しかし経験と注意力から危険を回避し、その確率を下げることが求められます。

by nakatuminesan | 2011-08-31 18:30 | 山のあれこれ | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード

<< 2011.9.1 不入山~折宇... ワケギ >>