八甲田山1584m   

2011年 05月 19日

青森県のほぼ中央部に位置する火山群の総称で、八甲田山という名の峰はない。
大岳1584mが最高峰であり、高田大岳(1552m)と区別する意味から八甲田大岳とも呼ばれている。
田茂萢岳(たもやちだけ)、赤倉岳、小岳などの山々がほとんど同じ高さで並んでいる。
八甲田山1584m_c0219866_17382030.jpg

この山の人気が高まった理由は、1968年(昭和43)の八甲田ロープウェイ開設にある。
田茂萢岳山頂までゴンドラで運ばれた登山者は、短時間で簡単に大岳に登れるようになったからである。
一帯は自然公園法に規定された国立公園の「特別保護地区」でありながら、そこを横断するロープウェイ建設計画が持ち上がったが、計画自体の無謀さと自然保護の理念から、1989年に計画中止となった経緯もある。

八甲田山は全体的に迫力に欠けるが、世界でも有数の豪雪地帯であることから、雪渓や湿原、お花畑など変化に富んでいる。
八甲田山1584m_c0219866_17392499.jpg

モンスターでよく知られる山であるが、それよりも一番に思い浮かぶのは、100年以上も前に起きた世界山岳史上最大とも言われる大惨事である。
1902年(明治35)1月23日から25日にかけて、青森歩兵第五連隊第二大隊が八甲田山縦断雪中行軍中、記録的な寒波による猛吹雪により、田代平で210人中199人が凍死する大惨事が起きた。
それを基に書かれた新田次郎の山岳小説「八甲田山死の彷徨」はあまりにも有名である。
八甲田山1584m_c0219866_1740156.jpg

八甲田山に登ったのは35年も前になる春の山スキーだけだが、それは古い山の仲間たちとのよき思い出になっている。
もう一度雪の季節にと思うこともあるが、紅葉や新緑の頃もよさそうである。
なぜなら酸ヶ湯をはじめ味わい深そうな温泉があるからだ。

by nakatuminesan | 2011-05-19 17:44 | 日本の山 | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード

<< 2011.5.20青ノ塔~ボタ... 2011.5.18 天神丸 >>