山岳警備隊   

2011年 03月 03日

2月28日に剣岳で雪崩遭難が起きた。
冬山での救助訓練をしていた富山県警山岳警備隊の3人が、「池ノ谷ガリー」の標高2750m付近で発生した雪崩に流された。
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2人は助かったが、1人が心肺停止状態となった。
28日午前8時、小窓尾根の「マッチ箱」を出発し、池ノ谷乗越へ向かう途中で雪崩に遭遇したものである。

富山県警山岳警備隊といえば、実績と体制が充実していることで全国に知られる。
小窓尾根といえばバリエーションルートであり、この時期に選んだことでも隊のレベルの高さが解かる。
積雪期の山の状況把握と技術の向上を図るため、あえて困難な条件下での訓練を目指していたという。

現場の池ノ谷ガリーは剣岳山頂の北東にあり、若いころにはチンネ登攀の際にはよく通過した。
ガリーとは急峻な岩溝の意味であり、池ノ谷ガリーは不安定なガレガレの谷状をした急斜面である。
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山岳警備隊は山岳における遭難者の救助や、登山者の遭難防止等の活動に当たっている。
登山という行為は大自然を相手にするだけに、人命救助のトレーニングは厳しいと聞く。
それを承知で立ち向かう山岳警備隊ではあるが、人の力はたかが知れていることを教えてくれる。

先日書いたばかりの雪崩遭難での石鎚山における実例も、愛媛県警山岳救助隊の訓練中の事故だった。

by nakatuminesan | 2011-03-03 09:58 | 山のあれこれ | Comments(0)

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