雪洞   

2010年 10月 28日

昔の山行では“雪山のねぐら”としてよく雪洞を掘った。
単独行では荷物の軽量化とスピーディーな行動を考えなければならなかったからだ。
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一人用なら軽量スコップで出来上がりに1時間も要しない。
降り続いた雪に入り口を塞がれたり、雪が軟らかい新雪のころは目覚めると顔近くまで天井が下がっていたりとかで驚いたことも何度かある。
しかし風が強いと飛ばされる恐れがあり、厳しい外気温を遮断できないツェルトよりは雪洞に軍配があがったケースは多い。

ところが歳のせいだろうか、10年あまり前にテントを買って冬の鹿島槍ヶ岳に向かった。
高千穂平でいざテントを張ろうとしたところ、フレームを車に忘れてきたことに気付いたが、あわてることなく30分で雪洞を掘った。
スコップがなくてもコッフェルひとつで掘ることは可能だ。
この山は風雪に阻まれ山頂には立てなかった。
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軽量で強度にも優れたテントが普及してからは、雪洞を積極的に利用する人は減ったようだ。
雪洞技術習得とか体験目的の遊び感覚の光景は見ることはあが、雪洞を掘って泊まる山行をした人は、雪山を長くやっている人でも案外少ないと思う。

最近の数年で雪洞体験を目的にした大山登山を3回ほど計画した。
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初めての人はまるで子供のように掘るのに夢中になるから面白い。
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大きな雪洞は二箇所から掘り、中がつながり完成すれば一箇所は塞いでしまう。
雪洞の中は雪の壁だから、棚や小物置き場が必要となれば増築・改築は自由自在だし、ローソクの灯りはロマンチックでさえある。
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翌日は山頂を目指す。
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by nakatuminesan | 2010-10-28 18:03 | 昔むかし | Comments(2)

Commented by 増築したいおばさん達 at 2010-10-28 21:25 x
ひぇ~  どの写真も素敵!
来年是非体験したいです。
雪洞の中はどんな音が聞こえてくるかなぁ?
Commented by nakatuminesan at 2010-10-29 09:35
外が吹雪いていても雪洞内は静寂そのものです。
ローソク1本の灯りでも雪に反射して明るいし、大勢だと氷点下にはならないでしょう。
注意点・・・天井が下がるので上手に逆U字型に完成させることです。
掘って楽しく泊まって快適な雪洞をぜひ体験してください!
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