「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」   

2010年 06月 11日

ジョン・クラカワー著 海津正彦訳 文藝春秋 1997年

1996年5月、取材のためニュージーランドの著名な登山家ロブ・ホールがガイドを務める営業公募隊に参加した、ジャーナリストの著者が綴るノンフィクション作品。
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12名もの死者を出し、歴史的な大惨事となったこの登山の一部始終を生々しくかつ冷静に記した世界的話題作である。
ロブ隊のほかにも山頂を目指すグループがいて、下山中にブリザードに巻き込まれ大量遭難が起こってしまう。
メンバーには日本人女性として2人目のセブン・サミッツ(七大陸最高峰)をこのエベレストで達成する難波康子さんも含まれていた。
クラカワー氏は生還したが、ロブ隊もロブ・ホールをはじめ難波さんら4人が亡くなる。
遭難がどのような課程で起こったか実に丹念に書かれ、これ以上ない臨場感で読者に迫る。

ベース・キャンプ
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南東稜8400m
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中央の岩がヒラリー・ステップ
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渋滞するヒラリー・ステップ
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エベレスト史上最悪の年となった1996年は98人が登頂したが15人が遭難死している。
エベレストは1920年代に記録が残されるようになって以来、現在までに延べ5000人もが登頂しているとはいえ、200を超える人命が失われている。
エベレストから遺体を動かすのは非常に危険でほぼ不可能に近いため、遭難者の遺体のほとんどは現地に残されている。

著者の提言・・・「今後、大量遭難を減らそうということなら、もっとも単純な方法はおそらく、緊急医療用を除いてボンベに詰めた酸素の使用を禁止することだろう」

by nakatuminesan | 2010-06-11 17:27 | | Comments(0)

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