枯死するスズダケ   

2010年 04月 21日

スズダケが枯れたら楽でいいのにと思いながら歩いたことが懐かしい。
そのスズダケが本当に消えてしまうとは。
昔はそれこそ「頭から突き進む」といった表現でスズダケ漕ぎを楽しんで?いました。
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特に徳島県南の山に入るとひどかった。
一日中スズダケに抵抗しながら景色などは木に登らなければ見えないありさま。
湯桶丸、金瀬、吉野丸あたりの山に登った翌日は腕が筋肉痛になった。
新九郎山や中東山などは必死で三角点を探した。
枝尾根に入り込まないように地図とコンパスが活躍したものです。

そのスズダケが枯れ始めたのは10年ぐらい前からでしょうか。
最近よく目にするものは、樹木の皮剥による立ち枯れと林床の草花の衰退、スズダケ枯死の拡大です。
枯死するスズダケ_c0219866_1105788.jpg

パソコンは便利です・・・スズダケのことを調べてみました。
関東の丹沢でも枯死する異変が起きていて、1993年から3ヶ年計画で丹沢大山自然環境総合調査が行われました。
林業被害防止のため植林地に防鹿柵がはりめぐらされ、オスジカの狩猟が解禁されたことからニホンジカが標高の高い特別保護地区に追い上げられ、その採食によりスズダケが枯れ林床植生が急速に衰退したことが明らかにされたそうです。

日本のブナ林は林床にササの群落が繁茂するのが特徴。
本州太平洋側のブナ林のササ群落はスズダケがもっとも多い。
シカが異常に増えているところでは、シカの食害によってスズダケが大規模に枯れる現象が見られる。
これはスズダケが頂部にだけ冬芽をつくるためと考えられている。
基部にも冬芽をつくるササ類は、矮小化するが、枯れることはない・・・などなど。
枯死するスズダケ_c0219866_1131232.jpg

酸性雨、大気汚染なども原因かと考えていましたが、ニホンジカによる食害や踏み荒らしが主な原因とされるようです。
自然を守るためにもシカのためにも生息密度を上げないような個体数管理が必要なのでしょうか。

by nakatuminesan | 2010-04-21 11:10 | 山のあれこれ | Comments(0)

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